【令和7年分】源泉徴収票の作成・提出完全ガイド!令和8年からの重要改正点も解説
年末調整の計算が終わると、次に待っているのが「源泉徴収票」や「給与支払報告書」の作成・提出業務です。
令和7年分(2025年分)の法定調書作成にあたっては、通常の業務フローに加え、令和8年(2026年)から始まる「特定親族特別控除」に伴う様式変更や制度改正についても理解しておく必要があります。
今回は、令和7年分の源泉徴収票作成のポイントと、今後の改正内容について実務的な視点で解説します。

1. 源泉徴収票・給与支払報告書の作成(令和7年分)
年末調整が終了したら、その年の1月から12月までに支払いが確定した給与金額や税額を記載した書類を作成します。
作成する書類
所得税用の「源泉徴収票」と、住民税用の「給与支払報告書」を作成します。
これらは基本的に記載内容が同一ですが、マイナンバー(個人番号)の記載有無などに違いがあります。
基本的には源泉徴収簿の年末調整欄や保険料控除申告書の数値を転記して作成します。
提出期限と提出先
作成した書類は、令和8年(2026年)1月31日までに提出する必要があります。
• 税務署へ提出: 給与等の支払金額が一定額を超える人(例:一般従業員で500万円超、役員で150万円超など)の源泉徴収票。
• 市区町村へ提出: 令和8年1月1日現在の住所地の市区町村へ、原則として全員分(中途退職者で支払額30万円以下を除く)の給与支払報告書。
• 本人へ交付: 受給者交付用の源泉徴収票を必ず本人に渡します(電子交付も可)。
電子提出の義務化基準
前々年の提出枚数が「100枚以上」である場合、e-Tax(国税)およびeLTAX(地方税)や光ディスク等による電子提出が義務付けられています。
※令和9年1月提出分からは、この基準が「30枚以上」に引き下げられる予定ですので注意が必要です。

2. 【重要】令和8年1月以降の改正点と「特定親族」
令和8年(2026年)1月からの源泉徴収事務には大きな改正があります。特に注目すべきは「特定親族特別控除」の創設です。
特定親族とは?
「特定親族」とは、生計を一にする年齢19歳以上23歳未満の親族で、合計所得金額が123万円以下の人のうち、従来の「控除対象扶養親族」に該当しない人を指します。
令和8年からの変更点
令和8年1月以降の給与・賞与に係る源泉徴収では、以下の点が変更されます。
1. 源泉徴収税額表の改正
2. 扶養控除等(異動)申告書の様式変更:新たに「源泉控除対象親族」という区分が登場します。
3. 扶養親族等の数の数え方:本人が障害者等の場合や、扶養親族に障害者がいる場合の加算ルールなどが詳細に規定されます。
源泉徴収票の様式変更
特定親族特別控除の創設に伴い、源泉徴収票の様式も改正されています。特定親族がいる場合は、以下の欄への記載が必要になります。
• 「控除対象扶養親族等の数」欄の「特親」
• 「特定親族特別控除の額」欄
• 摘要欄への各人別の控除額等の記載
※令和7年11月30日までに作成する源泉徴収票は改正前の様式を使用することになっているため、作成時期に注意してください。

3. 退職金が発生した場合(退職所得の源泉徴収票)
令和7年中に退職手当等を支払った場合は、「退職所得の源泉徴収票(特別徴収票)」を作成します。
• 提出対象: 法人の役員(取締役、監査役など)に対して支払った場合は、税務署と市区町村の両方に提出が必要です。
役員以外については税務署・市区町村への提出は原則不要ですが、本人への交付は必須です。
• 改正情報: 令和8年1月以降は、役員だけでなく従業員を含めた居住者全員分の提出が必要になる予定です。

4. もし間違えて提出してしまったら?
法定調書を提出した後に誤りに気づいた場合は、以下の手順で訂正を行います。
1. 無効分の作成: すでに提出した誤りのある調書と同じ内容を作成し、右上に赤書きで「無効」と記載。
2. 訂正分の作成: 正しい内容の調書を作成し、右上に赤書きで「訂正分」と記載。
3. 合計表の再作成: 「無効」分と「訂正」分のそれぞれの支払金額等を記載した合計表を作成し、提出区分欄にそれぞれ「4(無効)」「3(訂正)」を記入して提出します。

まとめ
令和7年分の法定調書作成は、例年通りの手続きに加え、将来的な電子提出義務化の拡大や、令和8年から始まる新制度への準備期間としての側面もあります。
特に「特定親族」に関する改正は、給与計算システムの設定や従業員からの申告書回収にも影響するため、早めに内容を把握しておきましょう。
提出期限は令和8年1月31日です。余裕を持って準備を進めてください。
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免責事項 本記事は令和7年分の実務解説資料に基づき作成していますが、税制は変更される可能性があります。個別の税務判断については、税理士等の専門家にご相談ください

【追記】実務で迷わないためのQ&Aと注意点
源泉徴収票作成の実務において、よくある疑問点やミスしやすいポイントを補足します。
Q1. マイナンバー(個人番号)はどこに記載する?
マイナンバーの記載には厳格なルールがあります。提出先によって取り扱いが異なるため、誤って記載しないよう厳重な注意が必要です。
• 税務署・市区町村提出用: マイナンバーの記載が必要です(支払者・受給者・扶養親族等)。
• 受給者(本人)交付用: マイナンバーは記載してはいけません。
◦ ※システムから出力する際、本人交付用にマイナンバーが印字されない設定になっているか必ず確認しましょう。
Q2. 提出後に間違いに気づいた場合は?
すでに提出した法定調書に誤りがあった場合は、以下の手順で再提出を行います(提出した分を差し替えるのではなく、「無効」と「訂正」のセットで処理します)。
1. 「無効」分の作成: 誤って提出したものと同じ内容(コピー)を作成し、右上の余白に赤書きで「無効」と記入します。
2. 「訂正」分の作成: 正しい内容で作成し、右上の余白に赤書きで「訂正分」と記入します。
3. 合計表の再提出: 「無効」分と「訂正」分のそれぞれの金額等を集計し、合計表の「調書の提出区分」欄にそれぞれ「4(無効)」「3(訂正)」を記入して提出します。

【図解】ひと目でわかる!令和8年からの扶養親族等の区分
令和8年(2026年)1月からの改正は非常に複雑です。新設される「特定親族」や「源泉控除対象親族」が、従来の扶養親族とどう違うのかを整理しました。
図解1:令和8年以降の「扶養親族等」の判定チャート
| 区分 | 対象年齢 | 合計所得金額の要件 | 備考 |
| 源泉控除対象配偶者 | – | 95万円以下 | 居住者(本人)の合計所得が900万円以下の場合。 |
| 源泉控除対象親族 (NEW) | 19歳以上23歳未満 | 100万円以下 | 控除対象扶養親族と同一生計の親族。月々の給与計算で扶養親族としてカウントされる。 |
| 特定親族 (NEW) | 19歳以上23歳未満 | 123万円以下 | このうち所得100万円超の人は、月々の給与計算では考慮せず、年末調整で「特定親族特別控除」を適用する。 |
| 控除対象扶養親族 | 16歳以上 | 58万円以下 | 従来の基準(令和7年までは48万円以下でしたが引き上げられます)。 |


