【令和7年度版】キャリアアップ助成金とは?企業が押さえるべき制度の全貌と申請ポイント
非正規雇用労働者の正社員化や処遇改善を支援する「キャリアアップ助成金」。令和7年度は助成額の引き上げや加算制度の新設など、企業にとって活用メリットがさらに拡大しています。本記事では、制度の概要から各コースの詳細、申請の流れ、注意点までを網羅的に解説します。
キャリアアップ助成金とは?
厚生労働省が実施する助成制度で、企業が非正規雇用労働者(有期契約・短時間・派遣など)に対して、正社員化や賃金制度の改善などを行った場合に、一定の要件を満たすことで助成金が支給されます。
目的:
- 人材の定着
- 処遇改善
- 生産性向上
- 雇用の安定化
対象となる企業と労働者
対象企業の条件
- 雇用保険適用事業所であること
- キャリアアップ計画を事前に提出していること
- 労働法令違反や保険料滞納がないこと
対象労働者の条件
- 有期契約・無期契約・短時間勤務のいずれか
- 社会保険・雇用保険に加入していること
- 新卒者は卒業日から1年未満は対象外
- 試用期間中の転換は「無期→正規」として扱われる
コース別の助成内容(令和7年度)
① 正社員化コース
重点支援対象者(有期雇用3年以上、派遣、母子家庭等)への転換で助成額が大幅増。
加算制度:
- 正社員転換制度の新設:+20万円(中小)
- 多様な正社員制度の導入:+40万円(中小)
② 賃金規定等改定コース
賃金規定の改定により、対象者の基本給を3%以上引き上げた場合に支給。
加算制度:
- 職務評価の実施:+20万円(中小)
- 昇給制度の新設:+20万円(中小)
③ 賃金規定等共通化コース
正規・非正規間で賃金制度を共通化した場合に支給。
- 要件:3区分以上の賃金区分を設定し、うち2区分以上を共通化
- 助成額:60万円(中小企業)/45万円(大企業)
④ 賞与・退職金制度導入コース
有期労働者に対して新たに賞与または退職金制度を導入した場合に支給。
⑤ 社会保険適用時処遇改善コース(令和8年3月末まで)
社会保険加入に伴う賃上げや手当支給、労働時間延長などに応じて支給。
- 手当支給メニュー:最大40万円(中小)
- 労働時間延長メニュー:最大30万円(中小)
申請の流れ
- キャリアアップ計画書の提出
- 実施日の前日までに提出(様式第1号)
- 取組の実施と賃金支払い
- 対象者に対して6か月間の賃金支払い
- 支給申請
- 取組終了後、2か月以内に支給申請書(様式第3号)を提出
添付書類のチェックリスト
- キャリアアップ計画書(写し)
- 就業規則(労基署の受理印付き)または労使合意文書
- 雇用契約書・労働条件通知書
- 賃金台帳・出勤簿(6か月分)
- 支給申請書(様式第3号+別添様式)
- 委任状(代理申請の場合)
- 事業所確認票(中小企業の場合)
よくある質問(FAQ)
Q:新卒者は対象になりますか?
A:卒業日から1年未満は対象外です。
Q:試用期間中の転換は?
A:試用期間中は「無期→正規」として扱われ、加算対象外です。
Q:賞与の定義は?
A:定期的に支給される制度が必要。決算賞与のみでは不可です。
Q:退職金制度は社外積立でもOK?
A:OK。ただしiDeCoプラスは対象外です。
Q:電子申請の流れは?
A:GビズID取得 → 支払方法・住所届 → 計画書提出 → 支給申請の順です。
まとめ
キャリアアップ助成金は、制度の理解と事前準備が成功の鍵です。助成額の引き上げや加算制度の新設により、企業にとって活用価値が高まっています。制度を正しく理解し、計画的に取り組むことで、非正規雇用者の定着と企業の成長を両立させることが可能です。



