【保存版】年金改正(2025年公布)完全ガイド — 小規模事業者が今すぐ確認すべき対応と社内フロー
2025年6月20日に公布された「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部改正」は、被用者保険の適用拡大、短時間労働者の取扱い見直し、在職老齢年金の調整などを含む大規模な改正です。特に小規模事業者・中小企業では、従業員の扱いが変わる場面が増えるため、早めの実態把握と準備が必須です。本記事では「何が変わるのか」を丁寧に解説し、社内チェックの具体手順・テンプレまでを社労士視点でお伝えします。
社労士コメント
改正は段階的に施行されますが、方向性は明確です。まずは「自社にどの改正が当たるのか」を確認し、影響がある部署・雇用形態を洗い出すことから始めましょう。
1|改正の全体像
- 目的:働き方・家族構成の多様化に対応し、所得再分配機能や私的年金制度を強化するため。
- 主な柱:
- 被用者保険(厚生年金・健康保険)の適用拡大
- 短時間労働者の適用除外条件見直し(報酬要件の撤廃など)
- 在職老齢年金の支給停止調整額の変更(62万円等)
- 子の加算・加給年金の見直し(子・配偶者への加算額引上げ)
社労士コメント
「目的」を把握すると、制度の変更が事業者負担の増加と従業員保障の改善という両面で設計されていることが分かります。説明資料では「事業者の対応(負担面)」と「従業員へのメリット(給付面)」を分けて示すと説得力が出ます。
2|事業者に直接関係する具体的変更点(詳細)
A. 被用者保険の適用拡大
- 何が変わるか:事業所の種類にかかわらず「常時5人以上の従業員を使用する事業所」を適用事業所に含めるなど、適用範囲が拡大されます。小規模事業所への適用が増える可能性があります。
社労士コメント
名義上の「常時5人未満」でも、業務実態で5人以上と判断されるケースがあります。まずは「実態ベース」の従業員カウントから始めてください。
B. 短時間労働者の扱い(報酬要件の撤廃)
- 何が変わるか:従来、短時間労働者の適用除外に報酬88,000円未満などの要件があったが、報酬要件の一部が削除され、労働時間ベース等での判定へと移ります。
社労士コメント
パート・アルバイトの契約情報(所定時間、シフト想定、賃金の仕組み)を一覧化してください。該当者が保険加入対象となるかの再判定が必要になります。
C. 在職老齢年金の見直し(支給停止調整額)
- 何が変わるか:在職老齢年金の支給停止調整額が62万円に設定されるなど、年金と給与の兼ね合いに影響が出ます。高年齢従業員の収入設計を見直す必要があります。
社労士コメント
継続雇用や定年延長を検討している企業は、給与水準と年金受給の影響をシミュレーションしておくとトラブルを避けられます。
D. 子の加算・遺族年金等の変更
- 何が変わるか:老齢基礎年金等における「子の加算額」が1人当たり26万9600円(※改定率を乗じる)に引き上げられるなど、給付の手厚さが見直されます。
社労士コメント
従業員向けの福利厚生説明で、将来の年金給付の改善点として説明できます。採用・定着施策として活用可能です。
3|施行スケジュール(押さえるべき日付)
公布は令和7年6月20日(2025年6月20日)で、施行日は項目ごとに段階的です。主要なものは次の通り。
- 令和8年4月1日
一部は令和7年公布日から即日、または令和7年10月1日、令和9年9月1日、令和10年4月1日等、段階的に施行
社労士コメント
「自社に関係する条項がいつ施行されるか」をスケジュール化しておくと、対応計画が立てやすくなります。施行日の3〜6か月前には社内通知を出しましょう。
4|中小企業向け:実務フロー
以下はワークフロー(テンプレ)です。Excelで管理すればそのままチェックリストになります。
ステップ0(準備)
- 担当:総務/人事または外部社労士
- 期限:今から(改正は段階施行のため早期対応が得策)
ステップ1:従業員実態の把握(所要時間:0.5〜2日)
- 作成する一覧項目:氏名、雇用形態、雇用開始日、所定労働時間(週)、月給・時給、想定年間シフト、年齢。
- 目的:常時使用者数(実態)算定、短時間労働者該当判定。
ステップ2:判定と分類(所要時間:1日)
- 「被用者保険の新基準に該当するか」→該当者はフラグを立てる。
- 短時間労働者で新たに加入対象となる可能性のある者を抽出。
ステップ3:社内ルールの修正(所要時間:数日〜数週間)
- 就業規則・給与規程・雇用契約書の必要箇所を改定(外部社労士と共同で)。
ステップ4:従業員への説明・同意(所要時間:1週間)
- 対象者には個別説明を実施。加入手続き・保険料負担の説明を明確化。
社労士コメント(テンプレ)
「従業員一覧」があれば、ほとんどの作業はスムーズに進みます。テンプレ(Excel)をご希望なら作りますのでお申し付けください。
5|よくある質問
Q1:うち5人未満だけど本当に関係ない?
A:名義上の人数と実態は異なる場合があります。常時の雇用実態(外注・派遣・扶養内の扱い等)を確認してください。
Q2:短時間労働者の給与が月88,000円未満なら安心?
A:該当していた報酬要件が削除されるため、所定労働時間等で再判定が必要です。契約書とタイムカード等を照合してください。
社労士コメント
FAQは社内配布用の案内資料にも使えます。Q&A形式で1枚のPDFにまとめて配布すると従業員の理解が進みます。
6|最後に
年金改正は実務対応の負担と従業員保障の改善が同居する内容です。なわ社会保険労務士事務所では、以下をご提供します:
- 「従業員実態把握シート(Excel)」の作成・提供
- 社内説明資料(スライド)作成代行
- 社会保険の適用判定・手続き代行(有償)
社労士コメント(締め)
準備は早めに。まずは従業員一覧を一緒に作って影響度を見える化しましょう。無料の初回相談(30分)で、貴社の該当範囲を一緒に確認します。



